損するギバーがなくすもの【71】

「自己責任」という言葉

43話やこれまで漫画でも触れてきましたが、ゆきみちは「自己責任」という言葉をよく使う人間でした。これには理由があり

・人のせいにしても、何も変わらないと思っていた
・その方が人として正しい、と思っていた

主にこの2点だったと思います。

例えば誰かと喧嘩した場合。「向こうが悪い!」という気持ちがない訳ではないです。ただ私の思うように他人を謝らせることなどできないし、何より喧嘩をしている間のモヤモヤしている時間が苦手で、だったら自分からさっさと折れてしまう方が早いと思っていました。
さっさと仲直りして、通常の生活や仕事に戻りたい!という気持ちが勝つのです。

決して感情的にならないという事ではないですし、なんでも相手に言われっぱなしだった訳でもありません。ただ、最終的に反省して自分から謝る回数は多かったと思います。

結果、大きく人間関係が崩れる事はなかった。

また自己啓発の本を読めば「原因は自分にあると気づきましょう」と言った内容の文章をよく見かけました。ゆきみちはこれを

物事の全ては自分に原因がある、だから「反省した方がいい」

という意味で捉えていました。だから自分の悪さを認めるこのやり方は正しい!と思っていました。

※これは63話で出した「ラーメンのトッピング」の話と同じで、これまでの自分の学習や経験から、他人の言葉や状況を、自分の都合の良いように解釈していると思います。

今は、この『自分原因論』はそういう意味ではなかったのだ…とわかります。

ゆきみち
ゆきみち

ちなみにゆきみちのような「過剰な自責」も、なんでも人のせいにする「過剰な他責」も、根っこは同じだと思います。

だんな
だんな

その話はまた別の機会があれば…

仕方なかったという考え方

Sさんも自己啓発本とか読んでいるだろうし、「損するギバーは自分の問題、だから自分が悪い!」という考え方を、前向きで良い考え方だっていうだろう…!そう思っていたのですが

Sさん
Sさん

結果的にそうなった…と考えた方が近いのでは?

と言われました。なりたくてなった訳じゃないですよね?仮説だけど、自分の恐怖心がそうさせてしまっただけではないのですか?と。
こう言われた時、『あ、そういう考え方するんだ』…と驚きました。そして同時に非常にほっとしている自分がいました。自分が悪い訳じゃない、仕方なくそうなったと思って良いのか…なるほどな…と。

ゆきみち
ゆきみち

自己啓発の本には自分のせいにしろって書いてあるけど良いのかな…?とも思いました

だんな
だんな

そんな事書いてないよ

Sさんは優しい

またSさんは、前回コーチングから私が調べた質問に快く答えてくれ、それどころか

Sさん
Sさん

よく調べましたね!凄いです!

と褒めてくれました。褒められれば嬉しくない訳ではないですが、内心

自分の事だし、別に凄くはないのでは?

と思っていました。自分が楽しくて調べていただけだし、自分で受けたいと思って受けてるコーチングだし、質問は全部答えて欲しい!という浅ましい思い(※65話)があったし笑
むしろ今日予定されているコーチング時間を、イレギュラーな質問で潰してしまっているという罪悪感がありました。

なのに嫌な顔しないんだな、Sさんって随分優しい人だな…
と思ったのでした。

ゆきみち
ゆきみち

「優しさとは何か?」についても、ゆきみちの中で徐々に変化が起こっていきます

続く