損するギバーがなくすもの【59】

父のようになりたくない

Sさん
Sさん

自分がお父さんみたいになっちゃう!…と思っていませんか?

何故何故を繰り返した先に、現れたのは父親でした。これには大変驚きました。何故なら父親は自分の人生に全く関係ないと思っていたからです。53話で書いた通り現在の私は父をどうとも思っておらず、ワークの記述も母の半分以下。

『好きでも嫌いでもない、マスコットみたい』

それが私の父へのイメージです。なのでSさんの指摘がにわかに信じられませんでした。
だけど…

思考の癖の正体

ここで、これまでの自身の発言、行動が走馬灯のように現れます。
「病気を抱えながら自分を育ててくれた父には感謝している」と私は言う…けれど私が普段父に取っている態度、発言はどうだろう?

私はコーチングで、Sさんに言っていなかったことがあります。それが今もなお、父が入退院を繰り返していること。そして…それに対して私が嫌悪感を持っていると言うことです。

酷いと思われる事を覚悟で書きますが、漫画で描いたような発言を私は「暴言」だとは思っていませんでした。昔からごく自然に持っていた感情だからです。
ちなみにSさんに言わなかったのは、隠していたからではありません。父を嫌悪し見下していたからです。不要なものをわざわざ買わないのと同じで、最初から関係ないと排除している。

…これが私の父への本心です。

口でどんなに「感謝してる」と言っても行動は真逆。私はSさんの言う事を否定できませんでした。思考は行動として現れるのです。

人と違うこと=父のようになること=不要なものとして排除される
絶対こうなってはいけない

これがゆきみちの強固な思考の癖の正体です

ゆきみち
ゆきみち

どんなに誤魔化しても、自分の思考は行動に現れているんだよね

だんな
だんな

嘘つけないんだよね

※ちなみにこれはしばらく経ってから飲み込めたことで、コーチングを受けてる最中はずっと半信半疑でした。

仕事を辞めなかった父

Sさんと話しながら、ゆきみちは涙が溢れました。確かに父は病気で、家族が困っていた事は事実です。

でも父は…病気になりたくてなったわけではない。なりたい人なんていない。

何より父は絶対に仕事を辞めませんでした。私たち姉弟がある程度成長し、進学の目処がつくまで休職と闘病を繰り返しながら頑張り続けていました。社会人になった私は、働く事がどれだけ大変かもうわかります。理不尽な目にもあうし、悩みは尽きません。

健康な自分ですらこうなのに、コントロールできない感情の波を抱えて、7人の家族を養う父のプレッシャーはどれほどだったでしょうか。辞めたくなった事、絶対あっただろうなあ。

辞めなかったから偉い!と言いたいのではありません。父は父にできる事を、全力でやっていた。そして彼のおかげで私は今、元気に生きている。

少なくとも、ゆきみちに「いらない」などと言われる筋合いはありません

ゆきみち
ゆきみち

頭ではわかるのに…なんでできないんだろうね?

…今ならわかるのに、頭ではわかるのに、何故か伴わない自分の行動。ちぐはぐな状態の中Sさんがゆきみちに声をかけてくれます。

続く