損するギバーがなくすもの【53】

注:実際のコーチングは、長い時間コーチと対話をしながら行います。全てを漫画にする事は困難のため一部編集されている旨ご了承ください。

ゆきみちの父

次は父親の話です。
ゆきみちの父は、私が物心ついた頃すでに心を患っていて、会社に行ったり行かなかったり…休職を繰り返していました。
祖父は大正生まれのいわゆる『男性たるものこうであるべき!』タイプで、会社に行けない父に怒り、叱っていた記憶があります。女は家で家庭を守り、男性は外で働くもの、心の病など怠けだ!気持ちをしっかり持て!というやつです。(※私はこの考え方を良いとは思っていません)
ただ正直、祖父が特別だったとは思っていなくて、祖父と同世代の多くの方が持っていた価値観ではないか?と思っています。今ほど心の病への理解もなかった時代ですしね。

ゆきみち
ゆきみち

でも父はパチンコには喜んでいくんだよ…!それを見たら怒りたくなる気持ちもわかるんだわ

だんな
だんな

時代もあるよね

家族を困らせている

そんな父に対してゆきみちが感じていた事、それは「家族を困らせないで欲しい」でした。いつからそういう気持ちを持っていたのかはわかりません、ただ、小学校低学年の段階で父が寝ている姿をはっきり覚えていますので、かなり幼い頃からだと思います。

学校から帰ると、寝ているお父さん…嫌な空気とセットで蘇る記憶。

祖父にせよ母にせよ、休んだ父に対して突然怒り散らすわけではありませんでした。
ですが、彼らが口に出さなくても空気を感じるのです。『不安』『怒り』『落胆』『諦め』…これらを子供なりに察して、ああ父の行為はいけないことだ、父は家族を苦しめる困った人だと思っていました。
そしてそんな空気を壊したくて…周囲の家族に笑顔を振りまいていた記憶もあります。
一生懸命お手伝いをするのも、母を助けようと頑張るのも、そう言ったところから来ている。Sさんからそれは十分ありうることではないかと指摘されました。

ゆきみち
ゆきみち

ゆきみちの周囲の空気を読む力はここで強く養われたのではないか?と思っています

Sさん
Sさん

とても優しい子ですよね

父への感情は「無」

コーチングのワークで改めて父の事を書き出した時、「何も思わない」ということに気づきました。
前述したとおり、昔から父が家族の事を困らせていたという気持ちはありました、でもそれも含めて『仕方ない事だから』と思っていました。むしろ病気を抱えながら大学まで出してもらったのだから感謝すべきと思っている。
また父はとても無口で、いつもニコニコしているだけ。私のやる事に意見をしない人でした。48話でも書きましたが、私の勉学についても何か言われた記憶は一切ありません。

父に何かを押し付けられたり、喧嘩をしたり、怒られた記憶がない。
逆に褒められた記憶もない。

…父に対する感情それは『好きでも嫌いでもない、マスコットみたい

これは記入したワークの文字量にも表れていて、父への記述は母の半分以下でした。

Sさん
Sさん

お母様のことはたくさん書いてあったのに…不思議ですね

…そんなこんなで家族の話をSさんにどんどん話していくゆきみち。
ここで一回家族の話題はまとめに入ります。

これらの状況・家族への思いが作り出すゆきみちの性格はどう言ったものなのか?そしてそれは思考の癖とどう関わるのか…?

続く